考えすぎをやめよう『STOP OVER THINKING』ニック・トレントン著

 書店の人気コーナーで偶然見かけた

 

『STOP OVER THINKING』 ニック・トレントン著 2025

 ―思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣―

 

 要は、「考えすぎをやめよう」ということ

 最近は特に、この手の自己啓発本をよく目にするようになった

 

 

 HSPという言葉をしっているだろうか。

 Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、感受性が高く敏感な気質を持った人をいう。

 

 語感がめっちゃかっこよく聞こえるが、要は、「やばいくらい気にしぃな人」ということ。かっこ悪い。

 人目を気にして内に抱え込む性格は、日本人らしい気質のような気がするが、上記啓蒙書は、39か国で刊行されている150万部を突破したベストセラー本である。

 (個人的な感覚だと、ちとお堅い思考性のあるイギリス、ドイツ、ロシアあたりの西欧国。若しくは日照時間が少ないスウェーデンなどの北欧国に、神経質でうつ気質の人が多いイメージがある。)

 

 かくいう私は、

    ハイリーセンシティブパーソン

の完成形である。かっこいいだろぅ?

 どのくらいかというと、今ではいろいろな方法を駆使し(後述します)、人並みの生活を送れるようになったが、過去の自分は、完全なる臨床対象レベルである。

 例えば、

  〇 学校や職場での人との会話で、自分が場違

   いな返答をしたかもしれないと感じると(人

   からの指摘がなくとも自分で発掘する(過剰

   なマイニングスキル))、その日はその思考に

   囚われ、他の生産的な行動が手にがつかなく

   なる。

  〇 たまの気が休まるはずの休日、過去の(小

   学生くらいの頃から遡る)失敗が津波のよう

   に押し寄せ、ストレスホルモンに脳が侵さ

   れ、生産的なことはもちろん、リラックスす

   らできず、疲れ切って休日が終わる(負のタ

   イムリーパーもしくはホリデーブレイカーの

   称号獲得)

  〇 未来の楽しみなことが1つあると、それに

   付随する心配事が3つくらい押し寄せて、も

   はや楽しみではなくなり、すべてを心配事の

   種に変えられる(迷惑系花咲かじいさん)

 どう、すごいでしょ?

 「将来の漠然とした不安」という理由で入水自殺した芥川龍之介の気持ちに共感していた若かりし頃。

 

 不安症に人生を食いつぶされないために、どうすれば泥沼から這い上がれるか

 それが、私の青春期の人生的課題だった

 そして、小さな階段を上り続け、克服へと至る

 

 まずは、脳の仕組みを理解する。

 ストレスにさらされるとコルチゾールというストレスホルモンが分泌され、衝動を抑制するなどの理性的な働きをする前頭前野の働きが弱まり、セロトニンなどの幸せホルモンの分泌が阻害される。

 つまり、

   考えすぎ → 不要なストレスにさらされる → 衝動の抑制ができなくなる 

→ ポルノやバク食いなど、負の行動に依存する → 自己肯定感が低下し、さらに負の思考に囚われる 

→ 人生下り坂界隈

 

 という負のスパイラルに陥ることになる。 

 

 考えすぎによって、人生が蝕まれていく

    馬鹿らしいだろう?

 

 次に、仕組みを理解した上で、どのように改善するか。

 まずは、マインドセットの切り替えが必要。

  〇 人は自分の人生にしか興味はなく、お前が

   気にしているほど、他人はお前のことは見て

   いない

  〇 人生、どれだけ苦しもうが、好き勝手生き

   ようが、結局は死んで無になる

  〇 人1人の人生なんて、砂漠の中の一粒の砂

   粒に過ぎない(お前がどれだけ苦しもうが、

   何も考えずに生きようが、社会は、世界は、

   何事もなく回っていく)

  〇 馬鹿の考え休むに似たり

  〇 人生は死ぬまでの暇つぶし

 

 こういう考え方で、一時の安らぎを得てごまかすのも有効。

 しかし、それによって考え方を常態的に切り替えられるような人間であれば、そもそも負のスパイラルに陥っていない。

 そこで、精神論ではなく、物理的に、内分泌系の作用をコントロールすることで、根本的な解決に近づける。

 悩みや不安は、結局、脳内分泌系の作用による

 まずは朝を制すること

 前日にお酒を飲まないと、睡眠の質は上がり、その日の気分やパフォーマンスに大きく影響する

 よい睡眠をとれば、少しくらい睡眠時間を削って早起きしても、質の悪い睡眠時間を延ばすよりよっぽど効果がある

 (睡眠の質は、スマートウォッチなど、バイオリズムを図れる時計で管理するのもよい)

 その上で、私が実践した方法は、例えば、

  〇 朝5時に起きて簡単なストレッチと腹式呼

   吸をして、体の状態を確かめ、対話する

  〇 上半身裸になり、5分ほど室内で体を動か

   す ― 超えるべき惰弱な自分を仮想敵に据

   え、シャドーボクシング

  〇 次に、3分ほど無理やり笑い続け、エンド

   ルフィンを強制的に湧き出させることで、幸

   せであると錯覚させる

 ―楽しいから笑るのではない。笑うから楽しくなるんだ

  〇 自分の人生を好転させるために必要なこと

   に時間を充てる(投資の勉強とか英会話と

   か、時間を決めて、自分の人生に必要なこと

   を)

 この30分間があることで、その日一日、新陳代謝が良くなり血の巡りが改善し、アドレナリンやドーパミンが適度に湧き出て、鬱屈とした気分が霧散する

 また、自分に小さな勝利をしたという清々しさを感じながら家を出れる

 

 しかし、これを習慣化するまで、何回もの挫折と後退と停滞と無念を噛みしめた

 そもそも、早寝早起きを習慣化できない外的要因もあった

 また、早起きしてまでやりたいことや、何かをやる気力がない

 自分には意識高い系の行動は不可能だ

 そして諦めていつもの気だるい日常に戻る

 

 それで納得できるなら、それでもいい

 死んだように生きていくことに、諦観を受け入れる境地に至ればそれもよし

 しかしそうはならないだろう

 誰しもが、人生をよくしたい、よりよく生きたいと、細胞レベルで感じている

 安易な死を選ばずに生き続けるなら、目を背けるにも限度がある

 

 人のライフスタイルや性格によって、合う方法がきっとある

 大きなことから始めることはない

 日々、少し苦しいことを自分に課してそれをルーティーン化することで、自分に勝利した回数を重ね、自己肯定感を増していく。

 たまに大きくやらかしても、日々の自己研鑽があれば、倒れそうな背中を支えてくれる

 そうすれば、内側から何かをやりたいという衝動が湧き出てきて、日々が忙しくなり、余計なことを考える暇すらなくなる

 

 そういったことに気づくきっかけとして、先述した啓発本を読んで、自分に合う部分を取り入れていくのもよい

 

『STOP OVER THINKING』のいくつかのポイント

 〇 不安症の遺伝要素は26%、残りの74パー

  セントは環境と行動による

   (9番染色体に遺伝的要因が認められる)

 〇 考えすぎをやめる対策方として、「4A」の考

  え方

     回避(avoid) 変更(Alter) 

   受容(Accept) 適応(Adupt)

  がある

 〇 不安の横流しが有効

   心理学者による無作為化試験

   不安を横流し(一旦意識から除外する)こと

  で、嫌なことの反芻を避ける