2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『THE WORLD IS MINE』 2巻

2巻目に突入 表紙の女は、1巻で登場し、2巻目ではトシモンに加わろうとする女性、マリアちゃん。 帯のコメントの一人は小説家 阿部和重 これは、壮絶なまでに徹底した描写の追求によって「世界」の連続性を 描き出す、きわめて倫理的な作品である。 ――テ…

ウラジーミル・ナボコフ 『ロリータ』

「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩めにそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。」 こんな軽妙な書き出しから始まるアメリカの古典文学。 展開が次々と切り替わっていく疾走感のある物語ながらも…

女性火葬技師の奮闘記 『SMOKE GETS IN YOUR EYES』

現代人は「死」を忌み嫌い、自分たちの「生」からできるだけ遠ざけようとする。 汚いものを見ないように、死から目をそらすように 医療技術の発達に伴って現代人は、できるだけ長く生を繋ぎ止めようと必死になって、健康寿命を越えて認知症などの「生の綻び…

にわかラップファンが見る 『STRAIGHT OUTTA COMPTON』

ネット放送「Abematv」の「フリースタイルダンジョン」を始め、昨今はパンピーにまで浸透し始めている ラップブーム! ミーハーの俺は、さっそくそのルーツを探るべく、ギャングスタラップの黎明期を作り出したカリフォルニア州コンプトン発の活かした…

桜庭一樹 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』

実社会にコミットするため、生活に即した「実弾」を打ち続ける主人公の女の子。 そんな主人公がある日出会った海野藻屑(うみのもくず)という女の子は、実弾が手元に無く、空想でできた砂糖菓子の弾丸をひたすらに打ち続ける。 その弾はしかし、社会の歪な…

本物だなぁと思った漫画 『THE WORLD IS MINE』 新井英樹

漫画にもいろんなジャンルがあるが、 社会とか人間の本質を描いた、魂に響く漫画 というものがある。 俺の中ではこれ、 『THE WORLD IS MINE』 新井英樹 エンターブレイン 2006 辞典ほどの分厚さで、全5巻という大ボリューム 何年も前に一度…

吉田修一 『怒り』

パレードからの.. 吉田修一『怒り』 消化不良感が強い。 時を同じくして違う場所に身分不詳の青年が現れる。 それぞれがその青年と信頼関係を築いていくが、少しの綻びから、隣のこの人は手配中の殺人犯かもしれないという疑心暗鬼に変わっていく。 サスペ…

行間に漂う不気味さ..吉田修一『パレード』

なんなのだろう..この、読んでいるうちに胃の腑から静かな不気味さが滲み出してくる感覚は.. 『パレード』 吉田修一 幻冬舎文庫 2004 適当に交ざって、飽きたらいつでも去れるような、チャットのような表層的な空間で共同生活をする若者達。 心の内奥を…

西加奈子 『円卓』

西加奈子作品を初めて読んでみようと思い、 『円卓』 文藝春秋 2011 を手に取った。 言葉のリズムが良く、断片的な文章の欠片の一つ一つが符合して意味を為し、脳にストンと落ちてくる感覚が小気味良い。 大人になり薄い皮膜越しには見えにくくなった透…

ピース又吉 『火花』

最近は相方の綾部祐二の方がニューヨーク進出の騒ぎでメディアに取り上げられているが..今更ながら又吉直樹の『火花』の感想.. 己のセンスに付き従い、世間を度外視して奔放に生きる、天性の才能を持つ先輩と、その先輩を師と仰ぐ、世間を捨てきることの…

青春映画と言えばこれ、金城一紀原作 『GO』

人生の節目節目で見返したくなる映画がある。 窪塚洋介主演 『GO』 だ。 窪塚のカリスマ性と、柴咲コウのミステリアスな妖艶さと、作品の軸として埋め込まれている マイノリティの反骨精神 初見から10年以上が経ち、会社に飼い殺され 去勢された犬 のよ…

青春時代に心をえぐられた映画 『リリィ・シュシュのすべて』 を思い起こす

大人となり、社会人としてある程度安定した今、あえて、不安定な青春時代に触れて心のひだにこびりついて記憶に残っている映画を、思い起こしてみた。 まず、思いつくのはこれ 『リリィ・シュシュのすべて』 [監督] 岩井俊二 [出演] 市原隼人、蒼井優 他 200…

ブログ始めました! ・・とか言ってみる。

「ぶろぐ」 この言葉から連想するものは、きらびやかな毎日を送る幸せな人達が、「朝食べたもの」「テレビで笑ったこと」「人に言われてちょっと傷ついたこと」などの微笑ましい日常を綴る せきららなぼくの日常日記 というやつだ・・・ ・・ ・・そんなまぶ…