『THE WORLD IS MINE』 3巻
折り返しの3巻目
完全にヒグマドンのターン!
いよいよ街中に降臨し、ひたすらに暴れまくる
ヒグマドン
そんな中、慈愛心に溢れる女性マリアちゃんと接触することで変化し
ていくモンちゃんと、嫉妬に駆られて更に残虐行為を犯すトシ
政府もいよいよ自衛隊、消防、警察に災害派遣要請を出すが、自衛隊法によ
る出動制限をパスするためにはヒグマドンを天災・災害と捉えなければならな
い。
日本は世界で初めて天より降ってわいた天災という名の怪獣を
具現化された神を認める国になるだろう (p380)
そしてその時、
「天より振りたる大きな力が災いをもたらす」
というメッセージを残していたトシモンは預言者となる。
・・・
この巻で一番面白かったのは、総理大臣 由利勘平が、災害派遣要請を出すシーン。
(TWIM3巻 p377より)
国家の危機管理体制は、各関係機関の利害や保守性によりその迅速性は阻害され
る。
情報の伝達を、「憲法・自衛隊法にのっとった伝言ゲーム」と揶揄し、
「正規の所要時間と今回の対応との時差並びに防ぎ得た被害を含めてマスコミに
公表していただきたい。」といってのける。
形骸的なシステムを嫌い、正義を貫く男の背中(毛深い)が垣間見える一コマ
マリアちゃんが物語の中枢に入り込んできているが、モンちゃんに今後どう作用し
ていくのか予想がつかない。
著者が巻頭インタビューで、
「モンチャンは、ヒグマドンと邂逅することで人間性を獲得するが、マリアの
影響で再び動物的残虐的存在に戻っていく」
と言っているが、この神話的物語の中で、マリアの持つどのような抽象的属性が、モンちゃんという神的な存在にどのような観念を元に作用していくのかが、つまりは、著者が登場人物に与えている物語的な役割が掴めない。
だれか教えてください。
読み進めていくことでいずれ分かるだろうか。。