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桜庭一樹 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』

小説

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 実社会にコミットするため、生活に即した「実弾」を打ち続ける主人公の女の子。

 そんな主人公がある日出会った海野藻屑(うみのもくず)という女の子は、実弾が手元に無く、空想でできた砂糖菓子の弾丸をひたすらに打ち続ける。

 その弾はしかし、社会の歪な壁を打ち崩すだけの力を得ず、跳弾したお菓子の弾は、崩れて溶け堕ち、泡となって消える。

 読了後の余韻は痛切でいて、鉛色の海に、青空の青が少しだけ溶けだしたような不思議な感覚。