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『グローバライズ』 木下 古栗 騙された..読書感想 

アメトーク「読書芸人」でも紹介され、話題を呼んだ 『グローバライズ』 木下 古栗(きのした ふるくり) 河出書房新社 2016 ・・・ まず最初に一言、俺はこの小説が好きだ。 しかしこれは、ゴールデンタイムのバラエティ番組で芸能人によりおすすめされるべ…

西 加奈子『舞台』

書店であらすじを見て、自分に通じるものを感じて即買いした小説 西 加奈子『舞台』 『人間失格』の主人公「葉蔵」を自分自身のように感じる自意識過剰な29歳の青年「葉太」。 忌み嫌っていた父親が病気で死に、父親が遺した金で、ある一冊の小説「舞台」を…

国家の危機意識の低さに警鐘を鳴らす小説 村上龍 『半島を出よ』

社会に対する問題意識とか、生存理由の希求とか、何か飢えを感じると村上龍の小説を読みたくなる。 村上龍 『半島を出よ』上・下 幻冬舎文庫 2005 簡単なあらすじは 福岡が北朝鮮に侵略され、国家の危機管理体制の低さや法整備の不備により政 府は具体的な行…

ウラジーミル・ナボコフ 『ロリータ』

「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩めにそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。」 こんな軽妙な書き出しから始まるアメリカの古典文学。 展開が次々と切り替わっていく疾走感のある物語ながらも…

桜庭一樹 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』

実社会にコミットするため、生活に即した「実弾」を打ち続ける主人公の女の子。 そんな主人公がある日出会った海野藻屑(うみのもくず)という女の子は、実弾が手元に無く、空想でできた砂糖菓子の弾丸をひたすらに打ち続ける。 その弾はしかし、社会の歪な…

吉田修一 『怒り』

パレードからの.. 吉田修一『怒り』 消化不良感が強い。 時を同じくして違う場所に身分不詳の青年が現れる。 それぞれがその青年と信頼関係を築いていくが、少しの綻びから、隣のこの人は手配中の殺人犯かもしれないという疑心暗鬼に変わっていく。 サスペ…

行間に漂う不気味さ..吉田修一『パレード』

なんなのだろう..この、読んでいるうちに胃の腑から静かな不気味さが滲み出してくる感覚は.. 『パレード』 吉田修一 幻冬舎文庫 2004 適当に交ざって、飽きたらいつでも去れるような、チャットのような表層的な空間で共同生活をする若者達。 心の内奥を…

西加奈子 『円卓』

西加奈子作品を初めて読んでみようと思い、 『円卓』 文藝春秋 2011 を手に取った。 言葉のリズムが良く、断片的な文章の欠片の一つ一つが符合して意味を為し、脳にストンと落ちてくる感覚が小気味良い。 大人になり薄い皮膜越しには見えにくくなった透…

ピース又吉 『火花』

最近は相方の綾部祐二の方がニューヨーク進出の騒ぎでメディアに取り上げられているが..今更ながら又吉直樹の『火花』の感想.. 己のセンスに付き従い、世間を度外視して奔放に生きる、天性の才能を持つ先輩と、その先輩を師と仰ぐ、世間を捨てきることの…